10年ぶりに宮崎駿監督の新作が公開され,金曜ロードショーでは3週連続でジブリ作品の放送がありました。というわけで今月はもうどっぷりジブリに浸かってます。そんな時に図書館で見つけた【危機の時代に読み解く「風の谷のナウシカ」】がとても面白かったのでご紹介します!
ナウシカ好きによるナウシカ解釈本
危機の時代に読み解く「風の谷のナウシカ」は2021年3月から朝日新聞デジタルに掲載されたインタビュー連載に加筆してまとめられたものです。
この本を一言で表すならナウシカ好きによるナウシカ解釈本がぴったり。
ナウシカ好きが話し手なのでとにかく面白いです!
ジブリファンにはたまらない1冊でした。
245ページという一般的なサイズの本の中に18名分のナウシカ解釈が詰め込まれています。
このナウシカを読み解いている面々がまた尖ってて。
俳優,作家,漫画家,哲学者,生物学者,軍事アナリストと全ては書き切れませんが,「その分野から切り込むとこんな解釈が生まれるのね」と新鮮でした。
それに「あの人が!」と意外な方が話し手として登場されていて驚きました。
そして、この本の面白いところは,ナウシカという創作された世界を読み解く事で,現実世界の人を取り巻く様々なテーマについて深掘りしているところ。
人を取り巻くテーマというのは,パンデミックやウクライナ戦争といった現代社会の問題であったり,命とは,生きるとは,文明とは何なのか,といったものです。
そのテーマに切り込む時、視点は科学的視点もあれば歴史的視点や哲学的視点もあります。
だからと言って堅苦しく読みにくい本ではなく,読み始めるとグッと引き込まれるのがこの本の素晴らしい所なんでしょうね。
ナウシカは映画版と漫画版とがありますが,危機の時代に読み解く「風の谷のナウシカ」は漫画版を中心に語られています。
18本のナウシカ解釈を読み終えると,ナウシカという作品が今までとは違う作品に見えてくるかもしれませんよ。
描きたいのは「痛快娯楽絵物語」
危機の時代に読み解く「風の谷のナウシカ」は読み手の熱い解釈と共に,作り手側であるスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーの記事もあります。
もうこの記事がジブリファンにはたまらなくて,鈴木さんの言葉に思わずニヤリとしてしまいました。
ここでニヤリときました。抜粋では伝わらない部分もあるので是非全容をご覧下さい!
漫画の「ナウシカ」というと,難しい方にばかり話が行っているでしょう。でも,彼(宮崎駿監督)は少年少女のための「痛快娯楽絵物語」を描こうとしていたんですよ。これは,誰も指摘した人がいないんですよ!僕も彼もそういうのが好きだから,2人で乗りに乗って(笑)。まさか後になって「人間と自然の関係が」とか,色々まじめに議論されるとは思っていなかった。こんなこと話していいんだろうか(笑)。
引用元:危機の時代に読み解く「風の谷のナウシカ」,鈴木敏夫(他17名)著,2023年1月31日 株式会社 徳間書店発行,27ページより引用
そんな事さらっと言っちゃうなんて,これだからジブリファンをやめられません!
「痛快娯楽絵物語」であそこまで行ってしまうのですから。
読み手は深掘りの沼にハマりますよ,恐ろしや 笑
先週久しぶりに金曜ロードショーでナウシカを観て
— 日々りんご@投資とディズニー旅行が好きな主婦🍎 (@hibiringoroku) 2023年7月11日
図書館で見つけたナウシカ本が気になり借りてきました📚
今週末はジブリの新作公開だし、しばらくジブリづくかも pic.twitter.com/tpdFRKBAiO
ナウシカの魅力を再発見して
危機の時代に読み解く「風の谷のナウシカ」を読み,とても面白かったので布教活動すべく記事にしました(笑)ナウシカを深く読み,熱く解釈を語る読者側と,制作側からのまさかの少年少女のための「痛快娯楽絵物語」発言。とても濃い1冊となっていますので是非ご覧下さい!
それでは,また!