家族旅行を計画していた時の事です。「どこへ行きたい?」と娘たちに聞くと,長女から「鳥取砂丘~!」と答えが返って来ました。「ディズニーランド!」みたいな返事を予想していたので驚きです。理由を聞くと、絵本【こんとあき】に出てくるような砂丘を見たいと言うのです。【こんとあき】は心温まる絵本ですが,なぜか長女は「こんとあきは怖い」という意外な感想を持っていました。いったい,どこが怖いのでしょうか?
【 こんとあき】とは
【こんとあき】は林明子さんが書かれた絵本です。
- 著者:林 明子
- 発行所:福音館書店
- 初版年月日:1989年6月30日
- 対象年齢:読み聞かせは4歳から。自分で読むなら小学校初級向き。
- ページ数:40ページ
- 発行部数:133万部
ミリオンセラーの絵本で発行以来長く読み継がれている名作です。
ページ数は40ページで,読み聞かせにも,小学生が自分で読むにも無理のないボリュームです。
文章は全てひらがなで書かれています。
あらすじ
このお話の主人公は【あき】という名前の女の子です。
あきのおばあちゃんが作ったキツネのゆいぐるみが【こん】で、もう一人の主人公です。
砂丘町に住んでいるおばあちゃんから,あきの【おもり】を頼まれたこん。
そんなこんが,あきの誕生を待つシーンで物語は始まります。
生まれてきたあきの側には,いつもこんがいました。
あきが成長がするにつれて、だんだん古ぼけてくるこん。
ある日こんの腕にほころびができてしまいます。
腕を直してもらうため、こんとあきは2人で汽車に乗り,おばあちゃんが住む砂丘町へ向かうのでした。
こんはぬいぐるみですが,あきと会話ができて,ヒトのように2本の足で歩きます。
ド〇えもん的な存在ですね☆
【こんとあき】砂丘が見たくて
長女が【こんとあき】をよく読んでいたのは、幼稚園の年長の時です。
長女はお話の中に出てくる【砂丘町】が気になったようで、いつか本物の砂丘がある町に行きたいと話していました。
幼い長女に「分かった、行こうねー。」と言い,それからいったい何年経ったことでしょう…!
小さかった長女もすくすくと育ち,もう私と背の高さが変わりません。
ずっと約束を果たさず,ズボラな母でごめん!
まさかこんなに大きくなるまで【砂丘町】を思い続けていたなんて,もう本当に反省です。
【こんとあき】こわい?意外な感想
ずっと【砂丘町】を思い続けた長女です。
長女にとって,【こんとあき】はきっとキラキラした思い出の絵本なんだろうと思い、聞いてみると,答えは意外な物でした。
なんと「怖かった」と言うのです。
え?なぜ??【こんとあき】が怖い?
謎です…。この心温まる絵本のどこが怖いのでしょうか。
長女に【こんとあきが怖い理由】を聞くと「このお話にはお父さんとお母さんが登場しないから」でした。
長女が言うには,「お父さんとお母さんは子供にとって安心の象徴でしょ?そのお父さんとお母さんがお話に出てこないんだよ?めっちゃ怖いやん!!」
確かに,言われてみると【あきのおばあちゃん】は出てきますが、お父さんとお母さんの気配がありません。
こんとあきを読んで,そんな事考えていたなんて(母は全然気付かなかったよ)。
【こんとあき】には,他にも怖いポイントがあったと言います。
こんとあきは2人だけで汽車に乗り,おばあちゃんの家へ向かうわけですが、途中で何度か困った出来事が起こります。
2人が困るたびに、こんはあきに「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言います。
そして,困った出来事が続くうちに,こんの「だいじょうぶ」は、だんだん小声になっていきました。
そこに何とも言えない怖さを感じたそうです…。
怖いポイントはまだあります。
あきの年齢は恐らく5歳か6歳くらいですが,そんな幼い年齢のあきとこんだけで,汽車に乗って遠くへ出掛けるという事が怖すぎる…,と言うのです。
【こんとあき】を読んでいた頃の長女はあきと年齢が近かったので,現実に当てはめて想像していたのかもしれませんね。
幼い長女が,怖いと感じたポイントを今のように言語化して理解できていたとは思いませんが,【こんとあき】から伝わってくる怖さを敏感に感じ取っていたんですね。
長女は「こんとあき,読んで~」とよく言っていたので,まさか【こんとあきは怖い】なんて感想を持っているとは思いもしませんでした。
子供の想像力と感受性と記憶力に驚く
子供の想像力と感じ取る力はすごいですね。
今回の一件はなかなか面白い発見でした。
成長した子供に幼い頃の記憶や思い出を聞いてみると、思いがけない言葉が聞けるかもしれません。
次女に一番古い記憶を聞くと、なんと赤ちゃんの頃に使っていたベビー布団の柄だったんです。
かなり詳しく柄を覚えていて驚きました。
まさかそんな小さい頃のことを覚えてるなんて。
「すごいねー!」と家族から言われ、次女も照れ笑いでした☆
布団の柄ってそれほど意識に残らないと思います。
それが次女の記憶に深く刻まれていたことが印象的でした。
いつも自分を包んでくれる布団が、次女には大切な存在だったのかもしれませんね。
【こんとあき】絵本の意外な感想に驚いて
【こんとあき】は心温まる素敵なお話です。「こわい」という感想とその理由を長女から聞き,子供の想像力と感受性の強さに驚きました。成長した子供に幼い頃の記憶を聞くと,また面白い発見があるかもしれませんね。色々聞いてみようと思います。
それでは,また!
もし子育てに疲れていたら